太陽光発電所において、我々は一般的に太陽光パネルを中心に考えがちですが、実はそこに欠かせない存在があります。それが、太陽光発電の鍵を握るパワーコンディショナー(以下、パワコン)なのです。
FIT制度が導入されてから10年以上が経ち、その草創期から運用が始まった発電所では、パワコンが寿命を迎える時期が迫っています。近年、パワコンの故障により発電量が急激に減少したという事例も増えています。
もしも、あなたの太陽光発電所のパワコンが急に故障してしまった場合、それは一大事ですよね?そして現在の太陽光発電所では、新電元、安川電機、オムロン、ファーウェイ、ダイヤゼブラ(田淵電機)、SMAのパワコンが主流となっています。
しかし、ここで重要なポイント。製造中止になったメーカーのパワコンが故障した場合、どのように対処すべきなのでしょうか?
本記事では、故障したパワコンを修理するべきか、それとも新品に交換するべきか。費用の観点や手続きのフローも含め、どちらがより賢明な選択なのかを詳しく解説していきます。
パワコンの寿命は通常約10年です。早い場合は8年、長い場合でも12年から13年までが一般的な耐用年数と言われています。
太陽光パネルは毎年わずかずつ劣化しますが、25年から30年ぐらいまでは発電が可能です。一方で、パワコンが寿命を迎えると、急激に発電量が低下してしまいます。パワコンが故障すると、そこに接続された全てのパネルが発電した電力を失ってしまいます。
土地を購入した太陽光発電所の投資家の方々は、物件を購入する際に、この点お話を聞かれている方が多いと思います。また、収支計画においても、売電を始めてから10年目にパワコンの交換が発生することが予測されています。
寿命10年未満でパワコンが故障するリスクに備えて、多くの方がメーカーの10年機器保証に加入しています。保証期間が切れる前に、定期的にパワコンの状態を確認し、メーカー保証が利用可能かどうかを確認してみてください。
1年間の機器保証に入っている方もいらっしゃるかと思います。特に2013年頃に太陽光発電所を購入された方々にとって、初期不良を乗り越えたパワコンも、そろそろ交換を考える良い時期かもしれません。
最新の機種は当時よりも約30%〜40%安く入手でき、性能も向上しています。パワコンの交換により、発電量を向上させる「リパワリング」は今が絶好のタイミングです!
家庭用パワコンは、自宅で使用するために発電した電気を直流から交流に変換する役割があります。しかし、投資用パワコンの役割はやや異なります。
投資用パワコンは、発電した電気を最大限に売電するために電圧を調整することが求められます。
低圧の太陽光発電所では、例えば、パネル9.9kWに対してパワコン5台の49.5kW構成や、5.5kW×9台の49.5kW、10kW×4台の40kWなどの構成パターンが存在します。この中のパワコンが1台でも故障すると、そこに接続された全ての太陽光パネルの発電量が失われてしまいます。
つまり、パワコンが1台でも壊れると、発電量に大きく影響してしまう訳です。発電量の低下はパワコン故障のサインとなります。 普段はチェックしていない方も、この機会にぜひ確認してみてください。
パワコンの故障は、さまざまな形で早期に示されることがあります。あなたのパワコンは正常に動作していますか?
もし上記のような症状が見られた場合、早めの交換や修理がお勧めです。安心して発電を続けるために、定期的な点検が大切です。
最近では、電力会社の方で出力抑制(出力制御)が行われるケースが増えており、それに対応した機能が求められて来ています。しかし、古いパワコンにはこの機能が搭載されていません。
他の発電所が備えている機能が備わっていないと、物件を売却する際に支障が出てしまう可能性もあります。
また、最新のパワコンは旧型のものより変換効率が向上し、価格も手頃になってきています。発電量を増やし、投資物件の価値を向上させるためにも、ぜひパワコンの買い替えを検討してみてください。最新のパワコンに交換することにより、未来のエネルギー効率を最大限に引き出すことが可能です。
比較検討した結果、結論からお伝えすると、お得な選択は新品への交換です。
もしパワコンの機器保証期間が残っている場合は、修理をすることが最適な選択となります。ただし、保証期間中でも外部要因が原因の故障は保証の対象外となります。
また、稼働からの経過時間が短ければ、機器由来の故障の可能性が高いため、保証の適用となるでしょう。しかし、10年保証が切れるギリギリの故障になると、有償修理の可能性が高まり、交換を検討する最適な時期といえます。
自費での修理には5万円以上かかることもあり、一部のパーツでは新品交換と同等以上のコストが発生することも注意が必要です。必ず修理する場合も、見積もりを取るようにしましょう。
では、次にパワコンの修理費用がどれくらいかかるのか見て行きましょう!
■調査費用
■修理費用
※上記費用については、あくまでも目安の金額となります。実際には各メーカーによって異なるため、詳細は機器保証書やメーカーの公式ウェブサイトでご確認ください。
1台のパワコンの故障を調査し、修理するだけで、おおよそ15万~40万円ほどの費用がかかります。
新品で設置して1年未満の場合、製品側に問題がある可能性が高いです。しかし、8年以上経過している場合は、経年劣化と合わせて、何らかのダメージが蓄積されている可能性があります。
冷却ファンなどの単体のパーツだけでなく、全体の交換が必要な場合は、新品交換が経済的な選択となるでしょう。
また、調査には時間がかかるため、修理までの売電ロスも考慮すべきポイントです。
DIY修理は避けたほうが良い、2つの理由!
■NG理由①: メーカー保証の対象外になる
■NG理由②: 第二種電気工事士の資格が必要
メーカー保証が対象外になる理由は以下の通りです。
詳細はメーカーの機器保証内容をご確認ください。
メーカー保証が対象外になる「外部要因」の例
野外に設置されたパワコンはさまざまなリスクにさらされています。それが突如として故障すると、調査や見積もり、修理の手続きを踏んでいる間にも、太陽光パネルが発電した電気をロスしてしまいます。
メーカー保証が期待できない場合、修理には手続きが掛かりますが、買い替えの方が迅速で総合的にもお得な選択となることがあります。対応を検討する際は、経済的な視点での判断が重要です。
パワコンが全て同時に故障することはまずありません。もし同時に故障が発生するとしたら、それは自然災害などの外部要因が影響している可能性が高いです。
ただし、同じ場所に設置されたパワコンは故障のタイミングが類似しています。例えば、9年目に1台、10年目に2台、11年目に1台、13年目に1台といった具体的なパターンが見られます。
将来的に全てのパワコンが故障すると仮定するなら、一度に全てを交換することで工事費を大幅に節約でき、製品の購入代金も抑えられます。結論としては、1台の故障が発生したら全てを新品に交換することが経済的な観点でとてもオススメな選択です。売電ロスを心配する方は、故障前に全てを交換することも検討する価値があります。
2024年のパワコンは、9年前と比較して価格が約30%~40%安くなり、性能も向上しています。
この変化を活かして、発電効率を向上させる「リパワリング」と呼ばれるテクニックが広がっています。寿命の不安を解消しつつ、売電収入の向上が期待できるためです。
既にメーカーが撤退している方や、稼働から9年以上経った発電所、または機器保証が終了している方は、新しいパワコンに交換を検討することをお勧めします。
東京都では住宅用太陽光発電のパワコン交換に補助金が提供されていますが、残念ながら投資用太陽光発電のパワコン交換には補助金が適用されません。
ただし、設備更新のコストを抑えるためには、当サイト「タイナビショップ」を利用することがおすすめです。業界最安値級でパワコン交換をサポートします。
2021年以来、半導体の不足がパワコン生産に影響を与えています。2023年には解消傾向にありますが、なぜ未だに納期が長いのでしょうか?
その背景には、生産工場での人員不足が挙げられます。特にコロナ禍以降、パワコンに必要な部品の生産が大幅に低下しています。
この部品不足は2023年夏まで続き、商社や販売店は厳しい状況に直面していました。ただし、現在ではパワコンの納期がかなり改善され、2週間から3か月以内に納品可能な状態になっています。
パワコンの交換を検討する際は、ご要望に応じて適切な業者を選ぶことが重要です。
パワコンが故障した場合は、まず太陽光発電システムを販売した店舗に相談してみてください。そこにはメーカー保証だけでなく、販売店独自の補償制度も存在するかもしれません。
買い換えや交換の際には、様々なお店で対応可能ですが、パワコンだけの交換に対応している業者はまだ多くありません。
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